2020.02.15 Saturday
YOSHU マンスリーコンサート2月
土師さおり「ラヴェルの館へようこそ」全3章シリーズの最終回。
第1章のラヴェルのピアノ音楽、第2章のラヴェルの歌曲に続く、今回は、ヴァイオリンに東摩耶さん、チェロに佐藤響さんをお迎えした室内楽です。
1曲目は、ラヴェルの歌曲集「2つのヘブライの歌」です。
(幻想的で神秘的な美しさをもった曲です:チェロ/佐藤響さん ピアノ/土師さおりさん)
演奏後、チェリストからみたラヴェルの作品について、話していただきました。
続いて、ピアノ独奏…エネルギッシュで華やかな、ラヴェルらしい色彩をもった『道化師の朝の歌』です。
(ラヴェルが真夏にオランダを旅したときに作曲した、ピアノ組曲「鏡」第4曲です。ピアノ:土師さおりさん)
(『ヴァイオリンとチェロのためのソナタ』より ヴァイオリン:東 摩耶さん チェロ:佐藤 響さん)
前半最後は、かの有名な、サラサーテの「ツィゴイネル・ワイゼン」と並ぶ名曲…音楽会用狂詩曲『ツィガーヌ』です。
(最初のところは、ヴァイオリンのソロでの演奏が続き、緊張感が伝わってきます。ヴァイオリン:東 摩耶さん ピアノ:土師さおりさん)
休憩をはさみ、ヴァイオリン、チェロ、ピアノの3人による『ピアノ三重奏曲 イ短調』です。
ラヴェルの作品の中でも、完成までの時間が短く、完成度が高い "傑作"の一つといわれています。
(ラヴェル39歳、第一次世界大戦勃発の年に作曲されました。20世紀に作曲された"ピアノ三重奏曲"の中でも屈指の名曲の一つに数えられています)
初めて出会う曲なので"譜めくり"の人も、事前にリハーサルを行っておられました。
(楽曲を聴きながらリハーサルを繰り返して…譜めくりスト:藤原理恵さん)
(ピアノの憂いを湛えたソロから始まる第1楽章、美しいメロディーの3楽章、最終楽章では、3人の輝かしい演奏が絡み合って華麗に終結します)
ラヴェルを堪能できた、「ラヴェルの館へようこそ」全3章シリーズが惜しまれつつ終了しました。
晩年を過ごしたパリの西にあるラヴェルの最後の家 "ラヴェルの館" は、現在ラヴェル博物館になっていて、浮世絵を含む絵画や玩具のコレクション、作曲に用いられたピアノなどが展示されています。
この機会に、実際に"ラヴェルの館"を訪れてみてはいかがでしょうか。